夫婦に未成年の子がいる場合、夫婦のどちらかが親権者になるかを明記しなければ離婚届は受理されません。ですから、どのような離婚の形をとるにせよ、少なくとも親権者だけは決めておかねばなりません。
親権には、
①実際に未成年の子を養育監護する(面倒をみる)身上監護権と、②未成年子に財産がある場合に、その財産を管理したり、その子を代理して法律行為をする財産管理権があります。
親権をどちらにするかは、まず夫婦で話しあって決めます。しかし、夫婦間の話合いで解決できない場合は、夫婦の一方が家庭裁判所に調停を申し立てます。調停でも合意できない場合には、裁判所が親権者を定めることになります。
親権者をどちらにするかの判断基準は、一言でいえば、夫婦のどちらが親権者になることが、子の幸福に適するかです。
といっても、何が子にとって幸福になるかは一概に判断できませんので、夫婦双方の事情(監護に関する意欲と能力、健康状態、経済力、居住環境、親族の援助の可能性など)と子の事情(年齢、心身の状況、子の意思など)が考慮されます。その他にも以下のような基準があります。
「夫や夫の両親が親権は絶対にわたさないと言っている。経済的には夫の方がしっかりしているので、裁判になったら負けてしまうのでは・・・?」
このようなご相談を時々お伺いします。 でも、親権の場合、お子さんが小さければ小さい程、母親が有利とされています。 つまり、経済的なことより、母親の存在の方が大事なのです。
それに、母子家庭になったら、十分ではありませんが、児童扶養手当などの公的扶助が受けられます。経済的にしっかりした夫であれば、養育費をたくさん頂ける可能性もあります。
経済的な負い目であまり不安になることはありません。 大事なお子さんと一緒に暮らせるかは、一生の問題です。離婚後に、親権者を変更することはとても大変です。親権問題では、絶対に妥協してはいけません!